Tonic Functionってなんぞや?!①

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Tonic Functionについて書きます!
と宣言してから、早2ヶ月…いや、もう少しで3ヶ月。
たっぷり熟成してそろそろ腐るんじゃないか、という時期になってきたのでようやく公開します。
計画通り、ということがほぼない自分の性格を十分に鑑みて、今後は予告を不用意にしないようにします、…反省。

「ロルフィングの重要な要素」を少しでもわかりやすくまとめる、という目的と共に、自分の学びを整理しようといった目的もあるので、ちょっとごちゃごちゃした小難しいお話になります。
自分でもまだまとまりきっておらず、かなりわかりにくいです。
興味がある方はちょっとのぞいてみてください。
興味がない方は、眠れない夜に読むとよく眠れるかもしれません。

Tonic muscleとPhasic muscle

フランス人ロルファーのHubert Godard氏は、ロルフィングがなぜ効果があるのか?について科学的裏付けを行った、ヨーロッパ界隈では代表的なロルファー、いわゆる巨匠です。
今回のまとめは、この巨匠が提唱した考え方に基づいています。

一般的にInner muscle(インナーマッスル)、 Outer muscle(アウターマッスル)という言葉は一時期流行ってかなり認知度が高いと思っていますが、Tonic muscle(トニックマッスル)、 Phasic muslce(フェイジックマッスル)という言葉はどうでしょうか。
皆さま、聞いたことはありますでしょうか?

Tonic muscleは日本語で訳すと、持続性筋肉。
Phasic muscleは、瞬発性(一過性)筋肉です。

なななななな何それ美味しいの?
私が日本語訳を調べたときの感想は、この一言に尽きました。
正直さっぱりわからなかったので、しつこく先生や先輩ロルファーに聞いたり、本を読んだりネットで調べたりしてようやくわかってきたことをまとめてみます。

Phasic muscleは、「自分で動かそう!」と考えて、頑張って動かす筋肉のこと。物を持ち上げる、走る、ストレッチをする、など、筋肉を使うぞ!意識して動かす筋肉で、指令は大脳皮質から出ます。
筋肉を使え!と脳から指令が出て、運動神経系の2/3を占めるα運動神経系(α motor neuron)を通って、筋肉の伸縮が行われます。
より表層にある比較的大きな筋肉であることが多く、関節の動きそのものを生み出します。

対して、Tonic muscleは動かそうとして動かすのではなく、伸張反射を利用して持続的に動かす筋肉のこと。
例えば、立っているとき、座っているときなど姿勢を維持するときなどに使われています。
こちらは運動神経系の残り1/3を占めるγ運動神経系(γ motor neuron)によって支配されており、大脳皮質は通らず、延髄などの習慣化された動きによって働きます。
関節のまわりなど、より深い部分にある比較的小さな筋肉で、主に関節を安定させる働きをします。

場合によってどちらの作用もある筋肉があったりして、この筋肉はTonic muscle、この筋肉はPhasic muscle、とはっきりと分類ができない場合があるのがちょっと悩ましいあんちくしょうな感じです。

Tonic Functionとは?

で、Tonic Functionとは?
腕や足を曲げたり伸ばしたり、などの関節を動かすときに、より滑らかな動きで動かすためには、Phasic muscleが関節の動きを出そうと収縮する前に、Tonic muscleが作用して関節を安定させる必要があります。

例えば、岩や草木が多い安定しないボコボコの山道を歩いたとき、普段歩くときよりもスムースに動けなかったり、より疲れを感じたり、いつもは使わない筋肉を使ったと感じたり、という経験はありませんか?
同じように、スムースな動きを出すためには関節も動かすときにまず「安定」させる必要があるのです。

安定→動き

この流れ、とても大事です。
Tonic muscleがPhasic muscleよりも前に作用して関節を安定させる。この機能のことを、Tonic Functionと呼んでいます。

自分がわかりやすかった例があるので、そのワークを例にしてみます。

①二人組になって片方がもう片方の肩に手を乗せます。
(手を乗せた方=A、手を乗せられた方=Bとします)

②Bは、乗せられた腕、ちょうど肘のあたりに両手をかぶせるように乗せて下に向けて力を込めます。
Aは、腕が折れ曲がらないように抵抗します

Aは手にかかる重さに負けないように腕に力を入れて抵抗します。このとき、主にPhasic muscleを使っています。上からかかる重力に抵抗するので、けっこう疲れます。

さきほどと同じ例で、一部をちょっと変えてみましょう。

②まではさっきと同じ、BはAの肩に手を乗せ、上から下に力をかけて、Aはそれに抵抗します。
このとき、Aは抵抗しようと力を入れることをやめます。
代わりに、視線を遠くに向けます。地平線のずっと向こうを見つめる感じです。

すると、不思議なことに「抵抗しよう」と力を入れていないのに、さっきとは段違いにしっかりと力が入ります。Bが思い切り体重をかけても、なかなか折れ曲がらないくらい。Aは、特に力を入れているわけではないのでほとんど疲れません。

仕組みとしては、最初の例ではAは抵抗しようとPhasic muscleを使っており、身体の安定がうまくできていません。
次の例では、AはまずTonic muscleで「関節をしっかり安定させる」ことに成功しているので、Phasic muscleをそんなに使わなくても抵抗できるくらいの力が出せている、ということになります。
これが、Tonic Functionを使った一例です。

Tonic Functionが機能していないとどうなる?

Tonic muscleがうまく作用せず、関節を安定させるTonic Functionが機能していないと、どうなるか?
身体は賢いので、どうにか他の力や場所を使って身体を安定させます。
そのため、本来関節を動かす働きをするPhasic muscleが代わりに安定させ、さらに動作を行います。

本来の役割以外のことを担い、過度な緊張状態が続くのでPhasic muscleの負荷は高まります。
まさに、上の2人組のワークの最初の例の状態ですね。

最近、背中が常に張っていて痛みや重だるい違和感を抱えるクライアントさんが立て続けにセッションを受けてくださいました。
身体を触ってみると、背骨の両側に沿って縦に走っている大きな筋肉、「脊柱起立筋」がぱんぱんに緊張している傾向が多く見られました。

この脊柱起立筋たちは身体を伸ばしたり横に曲げたりするときに使う筋肉で、動きに関わるためPhasic muscleに分類されます。
意外にも、ヨガやダンスをやっていたり、姿勢に気をつけている人ほどぱんぱんに張ってしまっている傾向があります。

背中や腰を安定させるTonic muscleとしては「多裂筋」「腹横筋」が挙げられます。

この2つの筋肉は胸腰筋膜という筋膜を介してつながっており、コルセットのように腰を保護しているため、慢性的な腰痛がある方にも重要な部分です。
この子たちがきちんと身体を安定させることで、脊柱起立筋が過度に緊張しすぎず、伸びやかで無理のない姿勢を保つことができます。
まとめますと、Tonic Functionが働いていないと周りの大きな筋肉、Phasic muscleに負担がかかって動作が滑らかではなくなり、いずれ痛み、不快感が出ることになります。

ロルフィングは、このTonic Functionを最大限に生かして、いかに疲れずに効率的に楽に動く身体を作っていくか?が、大きなゴールです。

肝心のこのTonic Functionをきちんと働かせるには?については、また後日まとめますが、少しだけ。
上の例で出した2人組でのワークの例のように、「視線」を使うことはPhasic muscleを過度に使うことを抑制し、Tonic muscleを使うにあたりとても有効です。
また、動きのイメージをすることも重要なので、ロルフィングのセッションでは「イメージをして身体を動かしてもらう」ことが多く出て来ます。

興味が出て来た方は、ぜひ一度体験セッションにお越しくださいね。
5月には説明&体験会も予定しています♪
(説明&体験会の詳細については、コチラから)

 

 

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